


・ 用語の解説
周波数偏差 (Freq. Accuracy)
規定の中心周波数と発振器の25℃での出力周波数(工場から出荷された時の周波数)との差をいいます。周波数偏差は、ユーザーに周波数を外部から調整する手段のないときに規定されます。トリマコンデンサや可変抵抗等で周波数を外部から調整できる場合には、発振器の周波数は中心周波数に微調整可能なので通常は周波数偏差を規定する必要はありません。その代わり、トリマ等で可変できる周波数の範囲が規定されます。
周波数安定度 対 動作温度 (Freq. Stability vs. Operating Temp.)
周波数の温度に対する安定度(あるいは不安定度ともいえる)のことです。 基準温度からの安定度を規定する場合は例えば、温度特性 ±10ppm以下(25℃基準)、(動作)温度範囲 0~70℃と規定、25℃での周波数を基準(reference)として動作範囲温度での周波数が±10ppm以下である事を表します。基準温度を規定せずに±10ppm以下, 温度範囲 0~70℃と規定すれば出力周波数は0~70℃の間で常に±10ppm以下である事を表します。
エージング(Aging)
エージングとは、周波数を不安定にする要素(温度変化、電源変動、負荷変動等)をすべて取り除いた状態で、時間の経過に伴う周波数の連続的変化。
位相雑音(Phase Noise)
水晶発振器を含めてどのような発振源でも、出力周波数の近傍で不要なエネルギーを発生します。 これを位相雑音といいます。これは通常極めて弱いエネルギーですが、通信システムやレーダーシステムでは、使用される水晶発振器の波形スペクトラムの純度は重要です。 位相雑音は周波数ドメインの機器で測定され、中心周波数(キャリア)からの一定のオフセットポイントで、1Hzのバンド幅内に含まれる信号出力に対するノイズ出力の率で表されます。 位相雑音は、中心周波数からのオフセットにより、カーブの傾斜が3ヶ所で目立って異なります。キャリア信号に近い雑音はフリッカーFM雑音と呼ばれ、その強度は主に水晶の品質によって決まります。 一般的には、水晶振動子の周波数が高くなると、Qの低下とバンド幅が広くなるため、この近傍の雑音が高くなります。 オフセット値がさらに大きくなると、1/Fノイズが支配的になります。これは主に半導体によって引き起こされる雑音です。オフセットがさらに大きくなると、白色雑音(white noise)が支配的になります。これは広帯域雑音とも呼ばれます。
・ VCXO(VC-TCXO) に特有の用語
周波数可変範囲 (Freq. Deviation)
周波数が制御電圧の変化によって変化する量をいいます。例えば、制御電圧(Vc)が5V変化すると周波数が300ppm変化するVCXOがあります。
制御電圧(Control Voltage)
VCXOの入力端子に加えられる電圧変化でそれにより周波数が変化します。これは入力がACである場合には変調電圧と呼ばれる事があります。
極性(Polarity)
制御電圧の変化に対する周波数の変化の方向を意味します。正極性のVCXOでは、制御電圧が上がると周波数も高まります。反対に、制御電圧が上がると周波数が低くなる特性を負極性といいます。
直線性 (Linearity)
直線性はMIL-55310Cに規定されています。出力周波数と制御電圧をプロットして得られたカーブと、最小二乗法により求められた理想直線との乖離幅を(実測された)総周波数変化範囲で除し、それを百分率(%)で表し、その最大値を表示します。 直線性のパーセントの値が低いほど、制御電圧による周波数変化感度が均一で、性能の良いVCXOであるといえます。